再生医療ブログ
くも膜下出血の後遺症(記憶障害など)や再発について
目次
今回は、脳卒中の原因の約5%を占めるくも膜下出血の原因や記憶障害などの後遺症、くも膜下出血の再発リスクなどについて解説させていただきます。
くも膜下出血とは?
脳は3層の膜で覆われています。外側から、硬膜・くも膜・軟膜の3つの膜で包まれており、くも膜下出血はくも膜と軟膜の間の出血で脳を圧迫することで起こる脳卒中のひとつです。

くも膜下出血の主な原因
発症原因は多々あります。その中で最も多いのがくも膜下腔を流れる動脈の分岐部に風船を膨らませたような瘤(動脈瘤)ができ、それが破裂する事により発症します。
また頭を強く打つなど外傷によって起こることもあります。
軽度の場合は自覚症状がほとんど無いなど見落とされる事もある為注意が必要です。
重症の場合は、急性硬膜、出血や脳挫傷を合併するなど命に関わる危険な状態になる事も少なくありません。

くも膜下出血の症状
突然バットやハンマーで頭を殴られるような激しい頭痛に襲われ、吐き気や嘔吐を生じるのが大きな特徴です。
さらに出血を伴う場合には、意識を失うなど突然死の原因にもなります。
また、手術など治療によって救命されたとしても後遺症のリスクも高く非常に危険な病気のひとつとされます。
脳卒中とくも膜下出血
脳卒中は一般的な言い方で医学的には脳血管障害といいます。
脳血管障害は、脳の血管の病変による脳の機能的・器質的な障害の全てを指していいます。その中で、脳の一部分や意識障害が突然発症するものを脳卒中といわれています。
※脳卒中とは病名ではありません。主に・脳出血・脳梗塞・くも膜下出血の総称です。

くも膜下出血の後遺症
出血の量や場所(部位)、発症から治療までの時間・合併症の有無など様々な要因によって後遺症の症状も多々あります。
軽度の場合は治療後今まで通りの生活を送れることもあります。が、脳出血や脳梗塞などを併発した場合、運動障害や感覚障害が生じたり、水や食べ物が上手く飲み込めない嚥下障害、視野が狭くなる視野障害局所症状、さらには高次脳機能障害など多種多様な後遺症が残ることもあります。
くも膜下出血の後遺症 記憶障害
脳は栄養不足や酸素不足に非常に弱く、くも膜下出血により脳が圧迫され血行が阻害されると阻害部分より先の脳細胞に酸素や栄養が行き渡らず脳細胞が死滅することで様々な症状が表れます。その一つが記憶障害です。
その症状も様々です。私たちの記憶は、記憶している時間から短期記憶と長期記憶とに分けられます。
短期記憶は、例えば電話番号を覚えることで電話をかけることまでは覚えていても、その後は忘れてしまうことが一般的です。
また短期記憶は、個人差はあるものの保持することができる記憶の量に限界があります。
一方、長期記憶は親戚の名前を覚えている、友人と旅行に行ったことを覚えているなど意味のあることやエピソードを契機に長く覚えていることができるものです。
くも膜下出血の後遺症としてみられる記憶障害は、どちらかというと短期記憶が影響を受けることが知られています。
通常、出血する前の記憶は影響を受けません(くも膜下出血前の記憶を喪失することは通常ありません)。
しかし、新しい情報や事実を思いだすことに問題が発生することがあります。
例えば待ち合わせの場所や時間を忘れる、思い出せないなどです。また、ある程度の計画を必要とする課題の実施が困難となることがあります。
例えばお茶を作るなどの単純な作業でも計画して順番にこなしていく必要があるものを、特に実施できなくなる傾向があります。
このような症状は、手足の麻痺など目立ちやすい後遺症に比べくも膜下出血を発症した直後は見落としがちです。
本人も周囲も何となく気付きはじめますが、症状に波があったり、障害を受けていない機能は保たれている為まさか自分や家族が記憶障害になっているとは思わず、発見が遅れる傾向にもあり注意が必要です。

くも膜下出血の後遺症による記憶障害への対処法
次に、くも膜下出血後に記憶障害がある方への対処法として、リハビリと自宅でのケアについて紹介します。
記憶障害のリハビリ
くも膜下出血後の記憶障害のリハビリは、重症度やその他の認知障害の有無によって異なりますが、記憶する方法や補助的な手段を使う訓練をすることがあります。
例えば、目に見えるものと言葉を結びつける覚えかたを練習する視覚イメージ法、覚える必要があるもののリストを頭→額→鼻→口→のように体の部位と紐付けして覚えていくペグ法など、記憶法を使った覚えかたを繰り返し練習する方法などもあります。
しかし、本人はこのような複雑な方法を身につけていることも通常は忘れてしまいます。
手帳やスケジュール帳、モバイル端末など外部の記憶媒体に繰り返しアクセスすることを訓練することがよく用いられます。
つまり奨励される記憶方法としては、「情報の入力時に十分な注意を払い、情報を反復復唱しメモ帳やスケジュール帳を活用し理論的に情報の想起を試みること」それを繰り返し行うことで体に染みつけさせることです。
リハビリによる日常生活における改善例
物忘れが多くなったことを自覚しメモをこまめにとることで、そのメモを見て思い出すことができたなどの改善例(代替手段の獲得)が報告されています。

記憶障害のある方に対しご家族にできること
記憶障害のリハビリを補うためにご家族ができることがいくつかあります。例えばメモ用紙をすぐに使えるようにしておく、大切なものの置き場所は決めておくなど環境の調整は必要です。
また日課を決めておき、目に見えるところにメモを置きそのメモを見ながら毎日ルーティンとしてやること繰り返すことで行うべきことが習慣化されていきます。
なお、記憶障害のために以前できていたことができないためイライラしたり逆にやる気が起きなくなることがあります。
そのような時、本人を責めたりストレスをかけたりすることがないような配慮も必要です。
くも膜下出血の後遺症 そのほかの主な症状
運動麻痺
左右片側の上下肢が動かない。痙性麻痺と弛暖麻痺と痙性麻痺があります。一般的に麻痺は下肢より上肢に強いことが多い。
感覚障害
感覚や痛覚が鈍くなったり、逆に敏感になりすぎる場合がある
視野目の障害
視野が狭くなったり二重に見えたり、片方が見え難くなったり長期間にわたり症状が残る場合がある。
構音言語障害
喋り難くなったり呂律が回らなくなったりする。
嚥下障害
水や食べ物が上手く飲み込めない。
高次脳機能障害
高次脳機能障害とは、疾患や負傷などの原因によって脳が損傷し、知的な機能に障害が出て、日常生活に影響を及ぼす障害を指します。
失語症
言葉が出難くなる(運動性失語)と相手が話している言葉が分からない(感覚性失語)がある。
記憶障害
人の名前が思い出せない。言われたこと、読んだものを忘れてしまう言語性記憶障害や、道が分からない・道順が分からなくなる地誌的障害などがある。
注意障害
会話や思考がまとまらない。一つのことから他への注意を転換することが難しい。

くも膜下出血は再発する?
外傷によるくも膜下出血の再発はほとんど無いと言われています。
しかし、動脈瘤の破裂等によって起こったくも膜下出血は初発後3ヶ月以内に66.7%が再発したという研究結果があるように高い再発の危険性があることが分かっています。
また、手術の方法によっても違いがあると言われています
再発もさることながら、再出血にも注意が必要です。
再出血は脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血の場合、約20%の確率で起こり、特に24時間以内が要注意で再出血を起こすと予後不良ともいわれています。
くも膜下出血の治療
くも膜下出血の治療は発症原因によって大きく異なります。
発症原因で最も多いといわれる脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血では、基本的に脳動脈瘤の再破裂を予防する手術もしくはカテーテル治療を行います。
手術の方法として最も多いのが脳動脈瘤の根本を医療用クリップで止め血流を遮断するクリッピング術という方法。
もう一つの方法は近年、体への負担を軽減できるカテーテルを用いて医療用の細い金属を脳動脈瘤に挿入して血流を遮断するコイル塞栓術という方法を選択されるケースも増えてきています。
まとめ
くも膜下出血の記憶障害を初めとする後遺症について説明しました。
くも膜下出血後の記憶障害は気になる程でもない場合もあれば、日常生活に支障をきたすレベルの場合もあります。また、一時的な場合もあれば永続的な場合もあります。それでも、根気強く対処することで改善が期待できますので、ぜひ諦めないでリハビリや自宅でのケアを続けてください。
医療法人慶春会 福永記念診療所
〒536-0005 大阪府大阪市城東区中央1-9-33
泉秀園城東ビル2F
该治疗页面的主管医生

貴宝院 永稔(Kihoin Nagatoshi)
医疗法人庆春会 福永纪念诊疗所 部长
Neurotech Medical株式会社 代表董事
学历和职业经历
- 2003 年 3 月
- 毕业于大阪医科大学
- 2003 年 5 月
- 在大阪医科大学附属医院进行初期培训
- 2005 年 4 月
- 在大阪医科大学附属医院完成初期培训
- 2005 年 5 月
- 被任命为大阪医科大学(康复医学科)住院医师
- 2007 年 3 月
- 大阪医科大学(康复医学科)离职
- 2007 年 4 月
- 考入大阪医科大学研究生医学研究科(康复学专业)
- 2009 年 4 月
- 医疗法人伯凤会 伯凤会中央医院 入职
- 2011 年 3 月
- 大阪医科大学研究生医学研究科毕业
- 2008 年 2 月
- 福永纪念诊疗所 就任部长





